生存乗組員、「どうなった?」…意識回復後の記憶に混乱
2024/12/29 14:58
連合ニュースによると、29日旅客機後尾にある生存して構造された30代の乗務員A氏は、木浦韓国病院の緊急後送後に意識を回復し、状態に関する質問などに答えた。
特にどこが痛いかという医療陣の質問にAさんは「どうなった?」とまず事故の状況を尋ねたという。Aさんはどうして病院にいるのか尋ねるなど、事故当時の記憶が混乱している様子も見せた。
医療スタッフによると、Aさんはシートベルトを着用し、飛行機が着陸したと思った以後の記憶がない。病院は事故のショックで一部の記憶が思い出せずにいると推定した。
旅客機後部でのサービスを担っていたAさんは、肩の骨折と頭部にけがを負ったが、意識ははっきりして歩行も可能である。
Aさんのほか、20代の女性乗務員Bさんも一緒に救助された。Bさんは救助後、「飛行機のエンジンから煙が出た後爆発した」と消防本部に語ったと伝えられた。Bさんも命には別状はない。
飛行機の後部にいた乗組員2人が劇的に救助されたが、事故当時の衝撃が大きかった上に火災まで発生し、残りの乗客に生存者は現在確認されていない。消防本部は救助から事故収拾に対応を転換した。
韓国航空機事故・操縦士が事故2分前、管制塔に「遭難信号」…滑走路に消防隊は確認されず
2024 年 12月 29日 (日)

韓国全羅南道(チョルラナムド)の務安(ムアン)国際空港で29日起きた旅客機事故で、事故を起こしたタイ・バンコク発済州航空7C2216便は午前8時30分ごろ、同空港への着陸を試みた後に復航(着陸の継続を断念し上昇姿勢に移ること)し、再び着陸を試みるプロセスで事故に見舞われていたようだ。
同機は午前9時3分ごろ、滑走路に向かう際、エンジンに何かが吸い込まれて爆発する映像が確認されている。その後、着陸の過程で車輪(ランディングギア)が作動せず、緊急胴体着陸を試みる中で事故が発生した。
この過程で航空機はコンクリート製のローカライザーアンテナに衝突した。ローカライザーアンテナは、空港滑走路の進入方向とは反対側の滑走路の端から約300メートルの地点に設置されており、滑走路の中心線を延長した位置に設置される。
韓国政府は、着陸時に同機エンジンの爆発は鳥衝突(バードストライク)によるものと見ている。ただ、バードストライクによってランディングギアが下りなかった点については、さらなる調査が必要という。
国土交通省のチュ・ジョンワン航空政策室長はブリーフィングで「管制塔との交信時、同機が滑走路01番(仮番号)方向に着陸を試みる際、管制官が鳥衝突注意報を出した」という。
チュ・ジョンワン氏は「同機操縦士が事故発生の2分前、『Mayday』を宣言した」と明らかにした。Maydayとは、エンジン故障や機体の欠陥、火災、ハイジャックなどの深刻な問題が発生した場合に操縦士が使う「遭難信号」だ。
また、管制塔は滑走路19方向への正常な復航ではなく、反対方向への着陸を許可したという。チュ・ジョンワン氏は「その後、航空機が着陸する過程でローカライザーアンテナに衝突し、そのまま壁にも衝突した」と説明した。
一方で、専門家は「バードストライクが発生してもランディングギアが下りないわけではない」と説明している。特に、着陸前にランディングギアが下りなければならないが、事故前の映像ではそれが下りていなかった点が事故の主要な原因になりうると指摘している。
操縦士が「Mayday」を宣言したことから、ランディングギアが故障した状況で胴体着陸を試みた可能性が高いとの見方もある。
ただ、事故当時、操縦士が「Mayday」を宣言したにもかかわらず、事故が発生した滑走路で消防隊の出動が確認されていないため、空港当局が胴体着陸に適切に対応したかどうかについても、政府が徹底的に調査する必要があるとみられる。
現在、国土交通省航空調査委員会の調査官が現場に派遣されており、調査を進めている。調査結果が出るまでには1年以上かかる可能性がある。
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お正月の羽田の事故や123便を連想してしまう私です。
【追記】
韓国全羅南道(チョルラナムド)の務安(ムアン)国際空港で事故に見舞われた旅客機から救助された乗務員2人のうち、男性乗務員(22)が記憶の一部を失っているという情報が伝えられている。
今回の事故では、済州航空2216便の乗客175人・乗員6人の計181人のほとんどが死亡するなか、この男性乗務員と女性乗務員(25)は、比較的損傷の少なかった旅客機の尾部から救助された。
両乗務員ともに重傷を負い、男性乗務員は医療チームから記憶喪失の診断を受けたという。
JTBCの報道によると、男性は同日午前10時40分ごろ、木浦韓国病院に搬送された。左肩を骨折し、頭部などにも負傷している。医療チームによると、男性は骨折した左肩に激しい痛みを訴えているが命に別状はなく、医療スタッフと会話できるほどだという。
ただ「事故の過程についてよく覚えていない」と話しているという。医療チームは、事故が起きた事実さえ、男性が覚えていないことから、当時の大きな衝撃により一部の記憶を失ったものと診断している。男性は家族の意向により、ソウルの梨花女子大学木洞病院に転院した。
一方、女性乗務員は医師との会話が可能な状態で、現在、木浦中央病院で治療を受けている。
済州航空7C2216便はバンコクを出発し、この日午前8時30分に務安国際空港に到着予定だった。
だが、鳥との衝突によって車輪(ランディングギア)が作動せず、滑走路上で機体を引きずるように高速走行し、そのまま滑走路の端の外壁に衝突し、爆発した。胴体着陸を試みたものの減速ができず、滑走路からはみ出たとみられる。
その際、搭乗者が外部に放り出された。機体の火災によって、遺体の身元確認が困難になっているという。当局は午前1時現在、85人の死亡が確認されたと発表している。
遺体は事故現場近くの仮設安置所に安置しており、搭乗者リストは空港側が確認次第、遺族に伝達するという。
一方、救助された2人(30代男性客と20代女性乗務員)は、機尾部から救出され、木浦(モクポ)の韓国病院と中央病院に搬送された。
国土交通省によると、事故機は着陸状態に入った際、鳥と衝突してランディングギアが故障し、正常な着陸ができなくなったとされる。
務安国際空港でnews1の取材に応じた搭乗者の家族は「(機内にいた)家族から午前9時ごろ、『航空機に問題が生じた。鳥が翼に挟まり、着陸ができない』とのメッセージを受け取った。その後、連絡が途絶えた」という。同省の見解を裏付ける形となっている。
ランディングギアとは、地上で機体を支え、地上走行や離着陸を補助する装置。着陸時の衝撃に耐えられるよう頑丈に作られており、ランディングギアの車輪には物理的なブレーキが備わっている。
1991年に発生した大韓航空376便の胴体着陸事故では、操縦士がランディングギアを展開しなかったものの、幸い、全員が生存している。